労務に向いている人の特徴は?経験者・未経験者別に転職活動のポイントを解説
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労務 向いている人
【URL】
https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/11825.html
導入
変化なし
労務に向いている人の6つの特徴
正確性や確実性が求められるという点では、労務管理は同じ管理部門の中の経理の仕事に似ているという方もいます。
概ね堅実な性格の方に適性がある仕事ですが、具体的な要素をご紹介すると以下のようなポイントがあります。
コツコツと作業をこなせる人
給与計算・社会保険料の手続きなど、労務職の代表的な仕事は条件確認して、性格にデータに反映させる作業です。
特に給与計算は、それだけを外注する会社があるほど手続きの煩雑さと量の多さがあります。
よって、専門知識を持ちつつ、単純作業を淡々と・コツコツとこなせる人に適性があります。
仮にそのような適性が無い方の場合、ストレスを感じることもあるでしょう。
コミュニケーション力があり、秘密を守れる
労務管理は人事だけで完結する仕事と誤解されることもありますが、実際には他の部署との連携も求められる仕事です。
例えば、給与計算自体は労務担当者が行ったとしても、実際に各社員の口座に振り込むのは経理担当者という会社も珍しくありません。
また、従業員から各種手当や年末調整、結婚・出産に伴う手続などさまざまな問い合わせを受ける立場です。
中にはプライベートな相談も受けることがあり、不用意にその内容を部外者に漏らすことは決して許されません。
その点で、コミュニケーション能力が求められつつも、口が堅く秘密を守れることが大切です。
法律の学習意欲が高い人
労務管理は、人事職の中でも特に法律に精通している必要があります。
労働基準法のような基本的な法律ばかりではなく、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)のような、社会情勢の変化に伴う法改正を踏まえて行動しなければならないからです。
よって、法律の学習が苦にならない人・学習意欲の高い人が向いていると言えます。
常に知識をアップデートして、それを仕事に活かす姿勢がある方に適していると言えます。
締め切りを守れる人
労務の仕事は、締め切りを守る能力が必須です。社会保険の加入・脱退手続きや給与計算、労働契約書の管理など、法的に定められた期限を厳守しなければ、従業員や会社に大きな影響を与える可能性があります。特に法的義務を怠ると罰則の対象になるだけでなく、従業員の信頼を損ないかねません。こうした責任感のある仕事に向いているのは、スケジュールをしっかり管理し、優先順位を考えて効率よく行動できる人です。
相手に寄り添いつつ、感情移入しすぎない人
労務担当者は、従業員からの信頼を得る存在であると同時に、トラブルの解決役でもあります。トラブルを抱えた人に寄り添い、思いやりを持って対応する姿勢が求められますが、感情移入しすぎると自分自身がストレスを抱え込むリスクがあります。冷静さを保ちながら、解決に向けて最善を尽くすバランス感覚が重要です。仕事とプライベートの境界を明確にし、心身の健康を守りながら業務に取り組める人がこの仕事に向いています。
社会保険労務士を目指している人
社労士を目指す人にとって、労務は実務経験を積む絶好の機会です。資格の取得自体は未経験でも可能ですが、労務現場での経験がある人は、実践力や信頼性の面で大きなアドバンテージを得られます。実務を通じて法令の運用やトラブル対応のスキルを磨くことで、社労士として活躍する基盤が築けます。将来のキャリアアップを見据え、学びながら成長できる意欲的な人に向いている職種です。
労務に向いていない人の特徴
労務に向いていない人の特徴を挙げると、個人の業績が目立つ形で評価されたい人や、外部との繋がりを広げたい人が挙げられます。労務は従業員の勤怠管理や給与計算、トラブル対応など、裏方として企業を支える仕事が中心です。そのため、営業やマーケティングのように、成果が直接的に評価されたり、昇進のスピードに直結することは少なく、個人の業績を重視する人には向いていません。また、労務の業務特性上、社外の人脈形成が重視されることはあまりなく、主に内部の環境改善や業務効率化に取り組むことが求められます。外部との繋がりを積極的に広げたい志向を持つ人にとっては物足りなく感じるでしょう。さらに、労務は機密情報や個人情報を扱うため、情報管理が厳しく、自由な活動範囲が制限される場合があります。こうした特性を踏まえると、チームでの成果を重視する姿勢や、地道な作業を継続できる人が求められる一方で、個人プレーや外向きの活動に重きを置く人には不向きな職種といえます。
労務の仕事内容
以下は労務の仕事内容を表形式でまとめたものです。
業務内容 | 詳細 |
---|---|
給与計算 | 毎月の給与支払に伴う業務。基本給や各種手当、勤怠データに基づく控除(社会保険料や税金など)を計算し、正確に処理する。 |
勤怠管理 | 従業員の出勤・退勤、休憩、欠勤、遅刻、早退などの勤怠データを記録・管理し、給与計算や労働時間管理の基礎情報として活用する。 |
保険手続き | 社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)に関する手続き。入退社時や保険給付請求時の迅速な対応が求められる。 |
福利厚生業務 | 従業員やその家族を支えるためのサービス提供。例:住宅補助、健康診断の手配、育児支援制度など、企業独自の福利厚生制度の運用と管理。 |
安全衛生管理 | 労働安全衛生法に基づき、安全で健康的な労働環境の維持・改善を行う。安全衛生教育の実施や労働環境改善策の提案が含まれる。 |
就業規則作成 | 労働基準法に基づく就業規則の作成・改定と届出。労働時間や休憩時間、賃金などの労働条件を明確化し、必要に応じて法改正に対応した更新作業を行う。 |
労使関係管理 | 労働者と使用者(企業)間の関係を円滑にする業務。労働組合との団体交渉や協議、労働者代表者との意見交換などを通じて、労働環境の改善に努める。 |
この表は、労務の基本的な業務を網羅し、それぞれの役割と特徴をわかりやすく示しています。
労務と人事の違いは?仕事内容と向いている人
人事と労務は、従業員を対象とした業務を担いますが、その仕事内容や向いている人の特徴には明確な違いがあります。人事は主に採用活動、人材教育、評価制度の運用など、「人材を資産として活用する」業務が中心です。一方、労務は勤怠管理や給与計算、社会保険手続きなど、「人材を費用として管理する」業務が主となります。人事は従業員と直接関わる場面が多く、採用活動では会社の顔として社外にも影響を与えます。対して、労務は給与や福利厚生などの裏方業務を通じて従業員が働きやすい環境を整える役割を果たします。
人事には、高いコミュニケーション能力や人を見る力、スケジュール管理能力が求められ、人と接することが好きな人が向いています。一方、労務は細かい作業やルールを厳密に守る必要があるため、几帳面で責任感があり、コツコツと作業に取り組める人に適しています。中小企業ではこれらの業務を兼任する場合もありますが、それぞれの役割を理解し、自分に合った適性を見極めることが重要です。
関連記事:https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/11584.html
労務の転職市場の傾向は?
変更なし
労務におすすめの資格
変更なし
労務経験者が転職でキャリアアップする方法
労務部門の管理職
労務経験を活かし、スペシャリストとして専門性を高めることで、労務部門の管理職を目指す道があります。大手企業の独立した労務部門では、給与計算や社会保険手続きに加え、労務制度の設計や改善に関与する機会が増えます。労基署対応や労働組合との交渉といった経験を積むことで、より広い視野で組織全体の労務戦略を推進できるようになります。特に管理職を目指す場合、労務実務だけでなく、人事企画や評価制度などの知識を深め、組織の経営層との連携能力を磨くことが重要です。
幅広い知識を身に着けて管理部門を総括
労務の枠を超え、人事、総務、経理、法務など幅広い分野の知識を身につけることで、管理部門のゼネラリストとして活躍する道もあります。中小企業では、管理部門を一任されるポジションを担うこともあり、採用や教育、人員配置など多岐にわたる業務を通じて全社的な貢献が求められます。このキャリアパスでは、専門的な知識と同時に柔軟な対応力や調整力が求められ、経営陣とともに会社の基盤を支える存在になることが可能です。複数領域の経験を積むことで、ゼネラリストとしての市場価値が高まります。
社会保険労務士
労務実務の経験を活かして、社会保険労務士(社労士)の資格取得を目指すのもキャリアアップの有力な選択肢です。社労士資格を取得すれば、企業の給与計算や社会保険手続きだけでなく、助成金申請や労務制度の設計、規則作成の支援など、専門性の高い業務に携わることができます。さらに、社労士事務所への転職や、フリーランスとして独立する道も広がります。特に独立後は、自身のスキルや経験をもとに幅広いクライアントと関わり、長く働ける職種として安定したキャリアを築くことが可能です。
未経験から労務にキャリアチェンジする方法
以下の章タイトルに合わせて、元記事の内容を整理しました。
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### なるべく早く転職活動を始める
労務職は経験者が重視される傾向があるため、未経験から目指す場合は早めに転職活動を開始することが重要です。特に、求人情報で「未経験者歓迎」と記載されている案件を探し、積極的に応募することが効果的です。未経験者の採用では、若さが評価されやすい傾向があります。企業は将来的な成長を期待し、自社でスキルや経験を積ませたいと考えるため、転職活動は年齢が若いほど有利になる場合が多いです。
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### 事務スキル・PCスキルを身に着ける
労務職では、マルチタスクと正確性が求められるため、事務職の経験があると評価されることが多いです。特に、Excelのスキルは重要で、給与計算や従業員管理の場面で関数や効率的なデータ処理ができる能力が採用に繋がりやすいです。また、他の管理部門での事務職経験は、労務業務への適性をアピールする上での強みになります。未経験の場合でも、事務スキルを磨き、PC操作に慣れておくことが労務職への近道です。
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### 「なぜ人事ではなく労務なのか」を言語化する
採用面接では、「なぜ労務を選んだのか」という明確な理由を問われることが多いため、これを言語化しておくことが大切です。例えば、「経理経験の中で労務に興味を持った」「資格取得を通じて労務への意欲が高まった」など、ポジティブな理由を準備しましょう。また、未経験者を募集している求人情報から必要とされる人物像を正しく理解し、それに合致するよう志望動機やキャリアを構築することが重要です。自分でアピールポイントを整理できない場合は、転職エージェントに相談するのも効果的な方法です。
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「MS Agent」の労務求人例
ここでは、弊社MS-Japanが運営する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」で取り扱っている労務求人の一例をご紹介します。
【経験者向け】大手航空会社の労務管理マネージャー
仕事内容 |
・Payroll 人事業務チームのマネジメント ・給与計算、勤怠管理、社員情報管理の状況管理 ・人事データの集約と維持管理、業務改善 ・関係先や委託先との調整 ・人件費予算の確認 ・その他特命事項 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・事業会社での人事・労務業務経験(3年以上) ・ワード、エクセル、パワーポイント中級以上 ・スケジュール管理・調整能力 |
想定年収 |
700万円~800万円 |
【未経験歓迎】東証プライム上場企業の人事労務(社保・給与計算)
仕事内容 |
・給与計算、委託元対応、データ抽出と加工、各種明細の発送 ・雇用保険・労働保険の手続き、給付金申請、経理処理 ・社会保険関連手続き、保険料の算出と納付 ・勤務実績の確認、チャットやメールでの問い合わせ対応 ・入退社手続き、人事異動管理、人事データ入力 など |
必要な経験・能力 |
<必須> ・ビジネスメール、Excel業務経験 <歓迎> ・人事労務経験 |
想定年収 |
367万円~544万円 |
まとめ
労務は、企業の従業員が安心して働ける環境を裏から支える重要な役割を担う職種です。経験者にとっては、これまで培った専門スキルや業務知識を活かし、さらなるキャリアアップを目指すチャンスがあります。特に管理職や社労士資格取得などの道を視野に入れ、自分の強みを明確にして転職活動に臨むことが重要です。一方、未経験者にとっては、事務スキルやPCスキルを磨きつつ、「なぜ労務を選ぶのか」をしっかり言語化し、志望動機を具体的に伝えることが鍵となります。年齢や経験に応じたポイントを押さえた戦略的なアプローチが、採用に繋がる道を切り開きます。どのステージであっても、自分のキャリアプランに労務がどう貢献するのかを明確にし、転職活動に取り組むことが成功の第一歩です。企業にとって必要な存在としての自己イメージを具体化し、次のステップへ進んでいきましょう。