N7-11 弁護士は在宅可能?一般民事・企業法務・インハウスに分けて解説!
導入
項目6
弁護士在宅
<弁護士は在宅勤務できるのか?>
弁護士が在宅勤務をする際に課題となる点について、下記をそれぞれ300文字で解説してください。
・紙の書類を扱う場合が多い
・個人情報の取り扱いが難しい
・社内の情報共有が難しい
解説は、以下も参考にしてください。
弁護士はリモートワークをできるが、事務員はリモートワークを行えないといった状態の事務所や、弁護士も含めてリモートワークができない状態の事務所などがあり、一般企業と比べるとリモートワークに対する取り組みが遅れているところが多いようです。
その原因は次の通りです。
紙文化でリモートワークに馴染まない
裁判所がまだ紙文化であることがリモートワークを阻害しています。
提出する訴状や、裁判所から送付されてくるものなどは、紙で作成したものを郵便で送付する、受け取る、あるいはFAXでの送信・受信という文化が根強く残っています。
弁護士が個人で職印を持っていて、事務所にも同じ職印があるという事務所も多いので、弁護士以外は自宅で仕事するのが不可能ということも珍しくありません。
機密情報を取り扱う
弁護士は守秘義務を負っており、扱う情報が外部に漏れることがあってはなりません。
リモートワークを行えば、事件記録などを事務所外に持ち出すことになるため、事務所外で紛失・盗難に遭う可能性が出てしまいます。
弁護士と事務員で業務内容が違う
弁護士と事務員で業務内容が違うこともリモートワークを進める上で難しいポイントです。
弁護士は事件記録さえ見られれば事務所に居なくても自宅で仕事ができることもある一方、郵送物やFAXの受け取りや提出や書類の収集のために官公署周りをする事務員は事務所に居ないと仕事にならないという場合もあるため、同じ条件でリモートワークを実施するのは難しくなっています。
https://www.loioz.co.jp/column/article010/
https://no-limit.careers/guide/1006/
<弁護士が在宅勤務をするには?>
弁護士が在宅勤務をするにはどうしたらいいのか、下記にそって900字で解説をお願いします。
①リモート設備を整える
・クラウド利用
・VPN利用
②在宅勤務体制の構築
・在宅可能な業務の整理
・就業規則等の確認、見直し
・従業員、取引先に対する説明とフォロー対応の整備
解説は以下も参考にしてください。
クラウド利用
インターネット回線の速度が上がり、ディスクの単価が低下したことで、大量のデータにインターネット経由で安価にアクセスすることが現実的になりました。そこで、データを事務所内のコンピュータに置いておくのではなく、インターネットを経由してアクセスするサーバ上に置くサービス(クラウド)という発想が生まれました。
クラウドを利用すれば、事務所の外でも自由にデータにアクセスできるという長所があるほか、PCだけでなくスマホ等からもアクセスできるという手軽さがあります。
クラウドもウェブ会議と同様に、MicrosoftのOneDrive、Dropbox、Googleドライブ等多様なサービスがあります。ただし、弁護士として利用するためには、やはり守秘義務が担保されていることが必要です。ウェブ会議と同様に、利用規約に関する一義的な解釈を示すことは困難で、最終的には利用者の解釈に委ねられますので、本稿ではどのサービスが大丈夫といった記載はしません。しかし、クラウド上に置くデータについてサービス提供者の自由な利用を許すものもありますので、注意して利用してください。
VPN利用
VPNとは、Virtual Private Networkの略で、インターネット経由で、事務所内のPCにアクセスする仕組みです(図表13)。インターネットを経由するものの、外部からは通信が隠蔽されますので、安全です。VPNを利用すると、クラウドのようにデータを外部に置く必要がありません。また、データは事務所のサーバにありますので、データの容量を気にする必要もありません。価格も比較的安価です。
テレワークが可能な業務の洗い出し
テレワークには情報漏えいや作業効率の低下などを招くリスクがあることから、どの業務に対しても実施を認めるわけにはいきません。まずは日常業務の中で、テレワークを認めても事務所に悪影響が出にくい業務を洗い出してみましょう。
またテレワーク導入を機に、これまで非効率だと感じていた業務の改善も合わせて行うとよいかもしれません。
就業規則等の確認
テレワークの実施による課題に対応するには、現在設けている就業規則のままでは不具合が生じるかもしれません。必ずしもテレワークを導入するにあたり、就業規則の変更は必要ではありません。ですが、従業員に理解してもらいやすいよう、また万が一情報漏えいが起きたときのためにも、ルールを整備したほうがよいでしょう。
テレワークの実施により、取引先への対応が変わる場合もあるので、事前に連絡・説明を入れておいたほうがよいでしょう。中にはテレワークにネガティブな印象を持つ取引先もいて、説明しないほうがよいのではと思うかもしれません。
ですが、変に隠しても仕方ないので、多少の不便をかける可能性はあるものの、基本的にはテレワークでも対応は変わらないことを理解してもらうほうがよいでしょう。
テレワークによる働き方の変化に従業員が戸惑う心配がないよう、導入目的やルールの説明、フォロー体制を整備することも大切といえます。特にテレワーク中は従業員同士のコミュニケーションが不足しがちです。社員同士の連携が機能しなくなり、業務のミスや遅れを見逃す可能性が高くなります。
そのため、管理する立場の従業員に積極的なコミュニケーションを促したほうがよいでしょう。また、テレワークを実施するにあたり、疑問に思うことはあっても個別だと聞きづらい従業員もいるかと思います。
①
https://onl.bz/n1LDhCX
②
https://onl.bz/3PURdbg
<企業法務弁護士の在宅事情>
企業法務弁護士は在宅勤務可能であるかについて、理論上は可能であっても、実態としては難しいことを、以下を参考にしながら700字で解説してください。
全てのデータがクラウド上に存在するため、理論的には可能です。ただ実際問題として、特に新人弁護士の間はリモートワークには限界があります。企業法務はチームワークであり、コミュニケーションが必要だからです。
当事務所では、全ての事件間系の全てのデータや、全メンバーのスケジュール、タスク、チャットなどを、全てクラウド上で管理しています。したがって理論的には、「出勤しないと出来ない業務」というものはありません。実際、いわゆるコロナ禍の下、フルリモートで事務所としての全ての機能を実現していた時期もあります。
「全て」というのは文字どおりです。郵便物は転送されて担当スタッフの家に届き、スキャンされてクラウド上にデータ保存されます。訴状等一式の作成も、チャットやタスク管理アプリなどの活用で、平時通りに役割分担されながらクラウド上で行われ、郵送担当スタッフの家で全て印刷されて投函されます。当然、FAXは届いた瞬間に自動でクラウド上に保存されます。
…と、以上はコロナ禍での一時的な体制変更でしたが、ただ、短い準備期間で事務所全機能のフルリモートへの移行が可能な程度に、当事務所の業務はクラウドが活用されています。平時においても、出勤義務のないアソシエイト弁護士にとって、「出勤しないと出来ない業務」というものは、本当に存在しません。
ただ、「理論的にはできる」と「実際問題としてできる」の間には、やはり差があります。
企業法務は、基本的にチームワークです。特に新人の間は、同じ案件を担当する他の弁護士と随時話をして、方向性の調整等を行いながら案件を進めないと、円滑な業務が難しいという傾向はあります。また、年次が進むと、今度は「そうした新人からの質問に随時答えながら案件をドライブする」という仕事が発生します。
当事務所はアソシエイト弁護士に出勤義務を課しておらず、「出勤すること」自体を評価対象とはしません。したがってリモートでも業務は可能ですが、特に新人の間はどうしても限界がある、というのが実際のところです。
ただ、上記のようにリモートワークは、それはそれで可能です。実際、過去に、ライフイベントの関係で中期的にフルリモートになったアソシエイト弁護士もいましたが、その間も(どうしても業務量が下がり条件面等は調整させて頂きましたが)弊所に欠かせない戦力でした。
なお、出勤の意味は、基本的には上記のような他メンバーとのコミュニケーションなので、例えば、「週末にどうしても1時間程度書面を仕上げないといけない」という場合に、誰もいないオフィスに出勤する意味はありません。実際、基本的に誰も出勤していません。
また、付言すると、このように当事務所は、ほぼ全てのデータなどをクラウド上で管理しており、このことは、どうしてもメンバーに、「各種のツールやウェブサービスを使いこなせること」という、いわゆるITリテラシーを、一定程度求めることを意味しています。実際問題として、日常的にPCやスマホを使いこなしている方であればあまり問題にはならないと思いますが…。
https://monolith-law.jp/recruit/faq/remote-work
<一般民事弁護士の在宅事情>
一般民事事務所の場合は、チームというよりも個人で業務を勧めるケースが多いため、企業法務と比べて比較的在宅がしやすいことを700字で解説してください。
解説には、民事訴訟のIT化法案が成立したことも含め、以下についてもまとめてください。
∟右記の記事を参考に、下記をまとめてください。
・IT化法案成立の背景や他国の事情
・IT化が可能になる3点について
・証人尋問のリモート実施要件が緩和
・判決書の電子化
・審理期間の短縮化
上記の流れを受け、一般民事弁護士のリモート勤務はより加速していくだろうと締めてください。
解説は以下も参考にしてください。
民事訴訟IT化について
IT化のポイント①|訴状のオンライン提出が可能に
民事訴訟を提起するためには、裁判所に訴状を提出する必要があります。従来は、裁判所へ足を運んで訴状を提出しなければなりませんでした。
民事訴訟のIT化により、裁判所のシステムを通じて、オンライン上で訴状を提出することが可能になります(改正民事訴訟法132条の10)。
さらに、弁護士が訴訟代理人として訴状を提出する場合には、必ずオンライン上で提出しなければならず、書面による提出は原則として認められなくなります(同法132条の11第1項第1号)。
2. IT化のポイント②|訴訟記録のウェブ閲覧・複写が可能に
訴訟記録の閲覧・複写についても、従来は裁判所に足を運んで行う必要があったところ、IT化によってウェブ上で行うことが可能となります(改正民事訴訟法91条の2)。
裁判所に閲覧・複写用の端末が設置されるほか、裁判所外からもシステムを通じて閲覧・複写ができるようになる予定です。
なお、訴訟記録の閲覧は誰でもできますが(同条1項)、複写ができるのは当事者および利害関係を疎明した第三者に限られます(同条2項、3項)。
3. IT化のポイント③|口頭弁論のウェブ会議による実施が可能に
裁判所の公開法廷において、当事者双方が主張・立証を行う期日を「口頭弁論期日」と言います。
従来の口頭弁論期日は、必ず裁判所における対面の手続きで行われていました。今回の改正により、ウェブ会議によって口頭弁論期日を実施できるようになります(改正民事訴訟法87条の2第1項)。
なお、裁判所ではウェブ会議用のシステムとしてMicrosoft Teamsを活用しているため、口頭弁論期日をウェブ実施する際にも、Microsoft Teamsが用いられるものと予想されます。
また、訴訟の争点整理を目的とした弁論準備手続については、従来からウェブ会議による実施が認められていましたが、当事者のうち一方の出頭が必要とされていました(現行民事訴訟法170条3項)。
今回の改正では出頭要件が撤廃されたため、当事者の両方がオンライン上で参加しての弁論準備手続も認められるようになります。
それ以外にも、審尋(改正民事訴訟法87条の2第2項)、和解期日(同法89条2項)、通訳(同法154条2項)、証拠調べ(同法185条3項)、参考人等の審尋(同法187条3項)なども、ウェブ会議での実施が認められました。
4. IT化のポイント④|証人尋問のリモート実施要件が緩和
現行法の下でも、証人尋問をリモートで実施することがあり得ますが、証人が遠隔地に居住している場合や、法廷で尋問すると精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合に限られています(現行民事訴訟法204条)。
今回の改正により、当事者に異議がない場合には、一般的に証人尋問をリモートで実施することが可能となりました(改正民事訴訟法204条3号)。
5. IT化のポイント⑤|判決書の電子化
従来の判決書は紙媒体のものでしたが、今回の改正により、すべての判決書は電磁的記録によって作成されるようになります(改正民事訴訟法252条)。
電子判決書は当事者に送達されますが(同法255条1項)、謄本を紙媒体で送達する方法のほか、当事者の届出がある場合には、システム上でのオンライン送達も認められるようになりました(同条2項)。
6. IT化のポイント⑥|審理期間の短縮化
民事訴訟のIT化と併せて、今回の改正では新たに「法定審理期間訴訟手続」の制度が導入されます(改正民事訴訟法381条の2以下)。
当事者双方が法定審理期間訴訟手続の申出をした場合、以下の要領により、訴訟における審理期間の短縮が図られます。
①法定審理期間訴訟手続への移行決定後、2週間以内に口頭弁論または弁論準備手続の期日が指定されます(同法381条の3第1項)。
②初回の口頭弁論または弁論準備手続の期日から、6か月以内に口頭弁論が終結され、その後1か月以内に判決が言い渡されます(同条2項)。
③法定審理期間訴訟手続の判決に対しては、訴えを却下するものを除いて、控訴が禁止されます(同法381条の6)。
ただし手続保障の観点から、当事者の一方の申出によって通常の訴訟手続きへ戻せることになっています(同法381条の4第1項)。また、法定審理期間訴訟手続の判決について適法な異議申立てがあった場合にも、通常の訴訟手続きに戻ります(同法381条の8第1項)。
そのため、法定審理期間訴訟手続がどこまで実効的に活用されるかは、現段階では未知数です。しかし、長期化が問題視されがちな民事訴訟の現状に対して、一石を投じる法改正であると評価すべきでしょう。
https://dime.jp/genre/1406973/
<インハウス弁護士の在宅事情>
コロナ禍に入ってまもない2020年4月のアンケートですでに9割以上が在宅勤務を実施。
∟右記のアンケート結果概要を説明してください。
■インハウス弁護士が在宅をしやすい理由
①企業の法務業務と在宅勤務の親和性
②法務のテレワークを支えるITサービス
■今後の課題
ハンコ文化がより電子化していけば、インハウス弁護士はかなりの割合で在宅勤務が可能
弁護士資格を持ち、企業や官公庁等で勤務するインハウスロイヤーから成る任意団体「日本組織内弁護士協会」(JILA)が、新型コロナウィルス禍に伴う緊急事態宣言を受け、組織内弁護士のリモートワーク/テレワークの実施状況をアンケート調査しました。
組織内弁護士のリモートワーク/テレワークの実施状況に関するアンケート調査結果
https://jila.jp/2020/04/1156/ より
有効回答数も610名と、法務部門を対象としたアンケートとしては大規模なものとなっています。
このアンケート結果から読み取れる在宅法務対応の課題について、以下いくつかご紹介をしたいと思います。
テレワークに親和性の高い法務という仕事
2020年4月23日付日本経済新聞の報道では、テレワーク実施率は27%にとどまるとも報道されている日本の労働環境。その一方、オフィスワーク中心の企業法務部門は、比較的テレワークに向きなのではないか、と言われていました。
本アンケートでも、回答した組織内弁護士のうち実に90%以上が、遅くとも緊急事態宣言後にはテレワークに移行していることが明らかにされました。
テレワークを実施していますか
https://jila.jp/wp/wp-content/themes/jila/pdf/remotework202004.pdf を元に編集部作成
しかし、法務部門が実際にテレワーク向きだったのかというと、コロナ前からテレワークを実施していたと回答したのは冒頭紹介の報道と同水準の27.8%に過ぎません。実際、事業部門との顔を合わせてのミーティング等の必要性から、子育てや介護など、家庭事情にあわせて部分的に導入されるに止まっていたと思います。
コロナ以降、政府・自治体からの在宅要請に背中を押されてようやく本格化したということが、内訳を見るとよくわかります。
法務のテレワークを支えるITサービス
さて、そうしたコロナ後の法務のテレワークを支えているのが、オフィスから離れた場所でもコミュニケーションと情報へのアクセスを可能とするITサービス群です。
法務部門はオフィスにいてもミーティングが多い職種。そんな彼らを支えるコミュニケーションツールとして、1つのアプリケーションでチャット・少人数のビデオ会議の両方に対応できるTeamsが選択されています。
裁判手続きのIT化においてTeamsが採用されたことも、追い風になっているのかもしれません。
https://jila.jp/wp/wp-content/themes/jila/pdf/remotework202004.pdf を元に編集部作成
また、ビデオカンファレンスサービスの新興勢力Zoomの活用が進んでいるのも、特筆すべきポイントでしょう。Zoomに関しては、世界での利用が拡大するなか様々なセキュリテイリスクが発見されていますが、これを克服しながらどこまで普及が進むのか、注目したいといころです。
また、インハウスロイヤーに特化したアンケートらしく、法務向けのITサービスに関してもアンケートが取られています。
うれしいことに、3月にリリースしたばかりの弊社弁護士ドットコム提供「BUSINESS LAWYERS LIBRARY」もランクインをしており、法務パーソンのテレワークに微力ながら寄与していることが確認できました。
https://jila.jp/wp/wp-content/themes/jila/pdf/remotework202004.pdf を元に編集部作成
法務にとっては、判例・文献情報へのアクセスは業務上欠かせないものであり、テレワークが通常化するにつれて、こうしたオンラインリーガルサービスに対するニーズはますます大きくなっていくことが想像できます。
完全在宅化へのラストワンマイルはやはり「ハンコ」「押印」業務の撲滅
企業のビジネスリスクマネジメントを司る法務部門としても気になる質問項目が、テレワークを行うに際しての課題は何か、という質問への回答です。
当然に、機密保持がトップ課題になるのでは、と予想していたところ、それらを大きく突き放し、ペーパーレス化を進めていなかった現状に課題を感じるとした回答が約5割を占める結果となっていました。
https://www.businesslawyers.jp/articles/760
<まとめ>300
以上をまとめ、300字でまとめの文章を作成してください。